解体工事の届け出・申請・手続き

解体工事に必要な届け出・申請・手続きを行うことで、工事の遅れやトラブル、追加費用の発生を回避させます。自身での手続きも可能で、解体業者によっては届け出・申請・手続きの代行だけではなく、建物減失登記までを有料で依頼できるところもあります。

解体工事開始前

1: 「建設リサイクル法」の届け出

家屋や建物の解体工事で発生する廃棄物は、適正な処理・処分がなされる必要があります。そのため、80㎡(約25坪)を超える延べ床面積の家屋や建物を解体する場合には、「建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)」に基づき、届け出書類を市区町村へ提出することが定められています。この届け出義務は、依頼主にありますが解体業者による代行も可能です。

また、立地により解体工事が道路にも影響を及ぼす場合は、道路使用の届け出・申請も同時に必要です。

市町村により、届け出の1~2週間後から解体工事が開始できます。

2: 近隣住民へのあいさつ

解体工事が開始される前に、近隣住民へのあいさつを行います。トラブルなく工事を進めるためにも、近隣の方への注意を促し、工事に対する対策や理解を得ることがとても大切です。

3: 電気・ガスの停止

依頼主は、解体工事の開始前に電気・ガスの停止手続きを行います。停止方法は、電気・ガスの請求書や料金通知書などに記載された各事業所の電話番号に問い合わせることで行えます。

4: 家屋・建物内の家具や家電の処分

同じく解体工事の開始前に、家屋・建物内にある家具や家電をすべて移動または処分する必要があります。これらの残置物が残されていると、別途処分費用を追加される可能性があります。

解体業者によっては、タンスなどの木材家具であれば家屋解体と一緒に処分可能な場合もあるので、解体見積もりの際に相談しておくとよいでしょう。

しかし、解体業者が処分できない家電に関しては、購入先や家電メーカーにリサイクル法の対象かどうか、また引き取り可能かどうかを確認する必要があります。購入店や指定の引き取り場所へ持ち込みで家電を処分する場合は、別途収集費用のかかる収集を依頼する場合よりも比較的出費を安く抑えることができます。

5: 浄化槽の汲み取り

浄化槽のある家屋の場合は、解体工事の開始前に浄化槽の汲み取りを処分業者に依頼する必要があります。この処理の依頼は、解体工事依頼主であっても解体工事業者であってもかまいません。解体工事を滞りなく行うためにも、解体工事前の処理が重要です。

処分業者による汲み取りが完了すると、解体業者が浄化槽本体を撤去します。

汲み取りの費用は、地域や業者によって異なりますが、大まかに15,000円~30,000円が相場となっています。

解体工事終了後

6: 解体工事終了後の水道停止

解体工事が完了すると、水道の停止手続きを行います。解体工事中のほこりを抑えるための散水として使用することがあるので、工事終了まで水道を止めないのが一般的です。

解体工事が建て替えなどの理由でそのまま水道を使う場合には、停止手続きを行う必要はありません。

7: 解体工事終了後の「減失登記」手続き

家屋や建物の解体工事完了後は、建物が無くなったことを法務局に申請する義務があります。これを「建物減失登記」といい、建物の登記簿を閉鎖させる手続きです。通常この手続きは解体業者が行いますが、解体工事依頼主が申請する場合は、解体業者からの「建物取り壊し証明書」と「解体業者の印鑑証明書」、(「解体業者の登記簿謄本」)と一緒に「建物減失登記申請書」を提出する必要があります。